半券日記

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今週のお題「人生に影響を与えた1冊」

米澤穂信さよなら妖精」です

高校の頃に「読書タイム」という

朝登校して一限が始まる前に10分間好きな本を読み寝惚けた頭を活性化させ

スムーズに授業に入れる様にしようといった学校の取り組みがあった

中にはフランス書院文庫を読んで頭ではない部分を活性化させてた奴もいましたが

とにかくその読書タイム中に読んでいた本なのですが1限が始まって

からも先生に隠れて読んでいたほど話に引き込まれた覚えがあります

米澤先生の作品は青春ミステリが多く、日常の中に潜む謎をうまく物語

と絡めて書いていてミステリが苦手な私でもあっさり読めてとても好きなのです

主人公たちのもとに突然現れ、去って行った少女の存在、それを引き戻すために主人公は少女と過ごした僅かな時間の中で残していった少しの手がかりを元に必死で謎を解くも、結局少女が見せてくれた外の世界に届くことはなく無力感に立ち尽くす。

起伏の少ない、淡々とした高校生活を送っていた主人公にとって少女が話した世界はとても魅力的に映り、自分もそちら側に行きたいと最後の最後まで強く願った。

後半から展開が薄暗く、読後感も爽やかとは言えないけれど

読んだ時が主人公と同じ高校生だったこと、同じく閉塞した世界にいて、外の世界が輝いて見えていた時期だったこともあって主人公に共感してかなり深く入り込みました